とどの詰まり

そんなに意味がない

試合前

散歩がてら近所の公園を散策しているとアメフトのチームにスカウトされた。

自分は足が速く黒人選手と並走できた。

パスのスピードも速いうえ相手方ディフェンスの裏を狙うスルーパスも上手だった。

 

早速試合が始まることになりグランドに召集がかかった。

その時自分は小学校の中庭にある池(ビオトープ)に両足を浸していた。

池から足を出そうとした時に自分が石のスニーカーを履いていることに気づいた。

石のスニーカーは所々に半径2センチ程度の穴が開いていて、金魚、メダカ、ヤゴ等が自由に出入りしていた。

また表面が苔に覆われていた。

自分は直感的に苔を落とさなければ試合に出られないと考えて、付近に落ちていたタワシで苔を落とすことにした。

石のスニーカーは生物の住処になっていたので、動かした瞬間おびただしい数の生物が靴の穴から飛び出してきた。

いくら待っても生物の流出が止まないので、自分はそのまま苔を落とし始めた。

タワシはひどく劣化しており苔を落とすどころか、こするたびに損傷していった。

苔を落とす作業が難航するなか試合開始のアナウンスが反射して聞こえた。